パッサナーのブログ

日々、考えたこと、行動したことを、書いています

初めてデジタルカメラを手にした頃

(2010.5.16、七ヶ宿湖(しちかしゅくこ))

30代後半から写真を趣味とするようになり、熱量は衰えましたが、気持ちは今でも続いています。
カメラは、まだ写真が趣味と言えなかった30代前半から、55歳の現在に至るまで、何台か買い替えました。
本格的な写真趣味の知人に影響され、一時使用したフィルムカメラ1台を除き、全てデジタルカメラです。

2000年代初頭の30代前半、初めてデジタルカメラを手にします。
デジタルカメラが一般に普及してきた頃でした。
その存在は知っていましたが、最先端=超高額というイメージがあり、到底手がでる代物ではないと思っていました。

仙台駅東口ラオックス仙台店でデジタルカメラを見たとき、グレードによっては以外と手が届きそうなことが分かりました。
ラオックス仙台店は2003年に撤退し、現在はBiVi仙台駅東口という複合商業施設になっています。)
半ば衝動買いのような形で、そのカメラを買います。

富士フィルムFinePix シリーズで、縦型ボディのポルシェデザインが売りでした。
ドイツのポルシェデザイン社によるデザインです。
材質も金属部分が多く、カッコよかったです。
型式や正確な価格は覚えていません。

素数も覚えていませんが、ネットで拾った昔の記事を読むと、330万画素といったところでしょうか。
今やデジタルカメラは、普及機でも3000万画素を超えています。
20年で画素数は10倍になりました。
商品開発にかけるメーカーの意気込みを感じます。

そのデジタルカメラは2年ほど使用しましたが、何を撮影したか覚えていません。
撮影した画像も1枚も残っていません。
画像はカメラにセットしたスマートメディアに記録されます。
そこからノートパソコンに転送し保存していました。

紙の写真と違い、画像を思い出として残すという発想がありませんでした。
ですから、確実に保存するという意識も薄かったのでしょう。
当時はCD-Rなどの記録媒体は使っておらず、画像のバックアップもしていませんでした。
その後、パソコンの入れ替えで画像を失ってしまったのだと思います。
今となっては、返す返す残念です。

一部、記憶に残っている画像もあります。
宮城県の県南、白石市にある上戸沢宿(かみとざわやど)で撮影した一枚です。
茅葺屋根の建物と、道路のカーブミラーに映る自分を撮影しています。
上戸沢宿は、江戸時代に七ヶ宿(しちかしゅく)街道の宿場町として栄えた集落です。

七ヶ宿街道は、山形県上山(かみのやま)市から宮城県の七ヶ宿町、白石市を経て福島県国見町へ至る江戸時代の街道です。
名称は、街道沿いに七つの宿場町があったことにちなんでいます。

宿場は上戸沢、下戸沢(しもとざわ)、渡瀬(わたらせ)、関(せき)、滑津(なめつ)、峠田(とうげだ)、湯原(ゆのはら)がありました。
仙台に住んでいた頃、この辺りは好きでよく行っています。

民俗資料館「七ヶ宿町水と歴史の館」で、追見(おっけん)、原(はら)、渡瀬の3つの集落が、ダム湖の底に沈んだことを知りました。
ダム湖は七ヶ宿湖で、1991年に竣工した七ヶ宿ダムによりできたものです。
資料館でダム湖に沈む前の集落の、小学校の運動会の様子を写したビデオをみて郷愁を感じました。

当時、手探りではありますが、自分のホームページを運営していました。
ソフトは何を使っていたか覚えていません。
ホームページビルダーのような有名なソフトではなかったです。
ここに七ヶ宿街道を訪れた際の記事があり、上戸沢の写真を載せていました。
それで、この画像を覚えていました。

ホームページのデータも、何一つ残っていません。
文章はそれなりに書いていたように思いますが、すべて失われています。
悔やまれます。
バックアップは大事ですね。

デジタルカメラを手に入れ、私は嬉しかったのだと思います。
ワクワクしながら、あちらこちらと飛び回っていたに違いありません。
もう忘れかけていますが、記憶が淡くなるほどに、もの懐かしさを覚えます。