パッサナーのブログ

日々、考えたこと、行動したことを、書いています

美術館で彫刻を見る、本郷新記念札幌彫刻美術館 3

(2022.4.3、「泉の像」石膏像)
 
本郷新記念札幌彫刻美術館
(以下、彫刻美術館)
に来たのは、
1月21日が2度目です。
 
最初に来たのは、
昨年の4月3日、
9か月半ぶりです。
 
ずっと、
美術館と言うと絵画鑑賞、
というイメージがありました。
 
彫刻を見に美術館に行った、
という記憶もありません。
 
美術館で彫刻を見るのは、
絵画を見に美術館に行ったら、
たまたま彫刻もあった、
というときくらいです。
 
しかし、
彫刻美術館は、
美術として、
彫刻を展示する施設です。
 
彫刻を制作するために、
制作者が残したデッサンもありますが、
鑑賞のメインは彫刻です。
 
私は、
彫刻を鑑賞しに、
彫刻美術館に来たのです。
 
 
最初に彫刻美術館に来たのは、
たまたまです。
 
日曜の午後、
どこかに出かけたい、
出かけるなら博物館かな。
 
もう午後だから、
近場、
札幌市内だろうな。
 
それで、
札幌市のウェブサイトにある、
美術館施設紹介というページから、
選択することにしました。
 
このページには、
札幌市内にある美術館が、
6つ掲載されています。
 
じゃらんのように、
ランキングでの並びや、
星の数、
口コミなどはありません。
 
施設名だけが並び、
そこから、
各施設のウェブサイトにジャンプします。
 
 
このシンプルさが、
よかったです。
 
選ぶときに疲れません。
 
札幌市のウェブサイトに、
掲載されているという、
信頼感もあります。
 
市内には他にも、
美術館があると思いますが、
6つしかないのが、
粒よりな感じを受けます。
 
どこを選んでも行く価値がある、
という気がしました。
 
(なお、
 何を基準に掲載してるのかは、
 分かりません。
 
 指定管理者も含めて、
 札幌市が管理・運営している施設なのかな、
 とも思いましたが、
 6つのうちの1つ、
 関口雄揮記念美術館は、
 私立でした。)
 
 
このリストから選んだのが、
彫刻美術館です。
 
選んだ動機は、
自分の興味から、
最もかけ離れていたからです。
 
だから逆に、
行って見ようと思いました。
 
札幌市のウェブサイトへの、
信頼感も大きかったです。
 
興味はないけれども、
ここに掲載されるということは、
それなりに内容があるんだろうな。
 
興味のなさとは裏腹に、
期待感はありました。
 
 
実際に訪問してみると、
絵画の美術館とは異なる、
彫刻の美術館ならではの、
雰囲気があります。
 
本館2階のギャラリーに向かう、
階段の踊り場に、
「泉の像」の、
石膏原型が展示されていました。
 
「泉の像」は、
本郷新が、
1959年に制作したブロンズ像で、
札幌市大通公園に展示されています。
 
そこでは、
3人の踊り子が、
伸びやかにポーズをとっています。
 
彫刻博物館に展示された、
石膏原型は、
上半身のみですが、
上げられた腕や手の、
柔らかな表現が印象的でした。
 
 
2階に上がると、
様々な姿恰好の人物像が展示され、
興味深いです。
 
 
本館に隣接する記念館は、
本郷新が、
アトリエ・ギャラリーとして、
建てた邸宅です。
 
その一角には、
人の背をはるかに超える、
大型の人物像が並んでいました。
 
大きさに加え、
それらの像には動きもあり、
まるで巨人に囲まれているような、
心地がしました。
 
絵画にはない、
彫刻ならではの、
鑑賞体験です。
 
記念館には書棚が設えられ、
美術関係の書籍・雑誌が、
たくさん並べられていました。
 
多くのメッセージを遺した、
本郷新の、
一端を表しているようです。
 
 
最初の訪問と、
2度目の訪問を通し、
美術に対する意識の幅を、
絵画から彫刻へと、
広げることができました。
 
また、
彫刻博物館のウェブサイトは、
量も内容も充実しています。
 
ボリュームのある、
密度の高い情報群は、
彫刻への関心に、
十分応えるものです。
 
私は彫刻博物館で、
彫刻鑑賞という、
新しい体験を得ました。
 
この体験が、
美術の懐の深さに気づく、
きっかけになればよいと、
考えています。