(2022.4.3、本郷新記念札幌美術館記念館)
本郷新記念札幌彫刻美術館
(以下、彫刻美術館)
への訪問は、
昨日で都合4回となりました。
最初は一昨年の4月、
それから、
先々週の日曜と、
先週の土曜・日曜です。
初めて訪問したのは、
その前年の10月に、
学芸員の資格取得の勉強を初めてから、
半年位経った頃です。
丁度その2ヵ月位前の2月に、
町田市にある玉川大学で、
博物館実習に参加しました。
7泊8日の日程で、
玉川大学教育博物館で、
博物館業務の、
講義と実習を受講しました。
内容は、
Ⅰ 博物館実習ガイダンス、
Ⅱ 資料の収集と管理、
Ⅲ 展覧会の企画、
Ⅳ 展覧会の運営、
Ⅴ 展示設計、
Ⅵ 美術資料の取り扱い、
Ⅶ 考古資料の取り扱い、
Ⅷ 民俗資料の検討と民俗調査の実践、
Ⅸ 保存科学、
Ⅹ 資料の修理・修復
Ⅺ 博物館教育の理論と実践
でした。
実習では、
和本の和綴じ、
古文書の修復、
絵の額装、
キャプションの制作、
土器の展示台への固定、
土器の梱包、
ギャラリーでの展示設計、
絵と彫刻の展示、
などを行いました。
また、
博物館実習の参加に際しては、
事前レポートと、
4館分の、
博物館見学実習日誌を書いています。
見学実習で訪問した博物館は、
苫小牧市美術博物館、
市立小樽文学館、
市立小樽美術館、
小樽水族館、
です。
玉川大学での博物館実習は、
濃い体験で、
自分のなかでの博物館の存在が、
大きくなりました。
彫刻博物館を訪問したのが、
そのような時期だったので、
展示を見ることへの意識は、
高かったと思います。
最初の訪問時には、
はじめてのほんごうしん、
という企画展が開催されていました。
(2022年1月28日から5月31日まで。)
本郷新という彫刻家を、
知らなかったので、
丁度よいテーマでした。
本郷新の書いた文章などが展示され、
その人となりの一端に、
触れることができました。
仕事のスケジュール、
役職につく委員会の気忙しさ、
などについて書かれていた記憶があります。
本郷新という、
人物を知るような展示でした。
先々週からの3回の訪問で、
私は、
本郷新という人物に、
関心を持ちました。
本郷新は、
1905年12月生まれ、
1980年2月没なので、
1968年生まれの私は、
小学5年まで、
一緒の時代を生きていたことになります。
1977年、
札幌の宮の森に、
アトリエ兼ギャラリーを構え、
1978年には、
年の3分の1を北海道で過ごしました。
私はこの年、
小学3年から4年で、
札幌市と池田町に住んでいました。
(小学4年の7月に、
札幌市から池田町に転居しました。)
今思えば、
この時、
本郷新が北海道に、
随分長く居たのですね。
私が大人であれば、
ぜひ、
お会いしたかったです。
その後、
1979年2月に病を得、
宮の森のアトリエに来ることが叶わぬまま、
1980年2月に亡くなります。
残念です。
宮の森のアトリエは、
現在、
彫刻美術館の記念館となっています。
記念館にある本棚に、
渥美清さん絶賛!「こいつはおもしろいや」、
の帯の入った本がありました。
本郷淳,1994,『おやじとせがれ - 彫刻家 父 本郷新の思い』,求龍堂、
です。
本郷新の息子である本郷淳が、
父との関係を、
かざりのない言葉で綴っています。
全編が面白そうでしたが、
私は、
闘病の章に目が行き、
その場で読みました。
自分が55歳ということもあり、
人の終わりを意識してしまうのかも知れません。
本郷新の没年まで、
私はあと19年、
納得した生き方をしているのだろうかと、
焦ります。
本郷新に、
魅力を感じます。
この感覚を得たのは、
現在開催されているコレクション展、
かく語りき本郷新「彫刻は詩の塊だ!」、
の影響です。
(2024年1月19日から5月26日まで。)
また、
先々週と先週、
立て続けに3回、
訪問したことも影響しています。
先週土曜・日曜のイベント、
2024さっぽろ雪像彫刻展が、
連続した私の訪問を、
促しました。
博物館の、
展覧会やイベントが、
訪問者に、
何らかの対象に関心を抱かせる、
ということが、
あると感じます。
100%そうではありませんが、
今回は、
そうでした。