昨日は職場の最終日で、ひたすら残務整理をしていました。
3月までに終わらせておくべき業務は終わらせ、可能なかぎり、4月に行う業務の段取りも整えておきます。
後任者のための引継資料も作成しています。
引継資料の構成は、着任後すぐに行う業務の説明、把握しておくべき特殊事情の説明、マニュアル類の一覧、一日のスケジュール、週間スケジュール、月間スケジュール、年間スケジュールです。
業務のやり方は、基本的にはマニュアル類や過去の書類を見てもらい、その流れと実施方法を把握してもらうようにしました。
従って、引継資料には参照するマニュアル類や過去の資料、報告先、留意事項、その他補足事項のみを記載しています。
ただし、着任後すぐに行う業務は、引継資料で業務の流れや実施方法を記載しました。
スケジュールには、1つの業務をできるだけ分解し、小さな業務を単位として記載しました。
例えば、健康診断であれば、受診人数の調査、受診期間の予約、実施業者への発注、問診票等の配付、受診完了の確認、請求書等の受領、料金の支払、等々、複数の小さな業務に分解することができます。
スケジュールには、この小さな業務を単位として記載します。
（上の例では単純に分解していますが、実際にはもっと複雑で、さらに多くの業務に分解されます。）
このように、1つの業務を小さな業務に分解して示しておけば、業務の流れを把握することができます。
どこまで分解するかは一概には言えません。
理想はできるところまで分解し尽くす、ということでしょう。
できる人はそこまでやればよいです。
ただ、引継資料の作成時間も限られています。
私の場合は、大業務を中業務に分解する、中業務が複雑な場合はさらに小業務に分解する、という感じです。
2年ほど前に分解の素案は作っていたので、それを下敷きにしました。
これで年間スケジュールの業務は300件強となりました。
この辺りで妥協しましたが、そこはまぁ、これで許して下さいというところです。
後任者には自分の使用していたパソコンも引き継ぎます。
パソコンは本部の情報部門に一括管理されており、後任者に引き継がれる際、パソコンに保存したデータは消えてなくなります。
メールのデータは、前任者が希望すれば後任者に引き継ぐことができます。
前任者のメールを見ることができれば、実際にどのように事務を実施していたのかが分かります。
しかし、私のメールは私信も多かったので、後任者への引継ぎはしませんでした。
私信とは言っても、仕事がらみのちょっとした私的な会話、という程度のものです。
メール以外のデータは事業所のサーバーに保存されているので、後任者への引継ぎに際し、パソコンで行う作業はありません。
話は逸れますが、事業所のサーバーには、15年から18年くらい前に私が仕事で使っていたファイルがすべて保存されていました。
（その頃もいまの事業所に勤務しており、その後、他の複数の事業所に異動し、いまの事業所に戻ってきました。）
ファイルを1つ1つ開いて中身を見て行くと、当時の記憶が蘇ります。
あぁ、あんなこともあったな、こんなこともあった、あれは苦労したな、など、懐かしい気持ちになります。
資料を読むと、意外と緻密に仕事をしていたことが分ります。
例えば、健康診断の実施機関や職員との連絡・調整などは、かなり細かく進めていました。
それなりに頑張っていたんだと思います。
あれやこれやのファイルを眺め、気がつくと30分以上経っていました。
職場を去ると、これらのファイルを見ることはできません。
残念ですが、致し方ないところです。
これが自営業なら、自分がたどってきた軌跡として、仕事の成果を自分の許に蓄積できます。
そして、それをいつでも確認できる。
しかし組織で働く場合、自分が手がけてきた業務の記録を、自分の許に残すことはできません。
組織で働くということは、どんなに頑張っても、どんなに成果を上げても、その軌跡、その記録は、自分のものにはならないのです。
このことに気づいたとき、少し虚しさを感じました。
この点については、幸い、自分でつけていた業務ノートがあります。
日々の業務に関するメモ、課題とその解決方法などを書いたものです。
これは自分の手許に置いておくことができます。
適当に開いたページには、ガス検知警報装置の点検について書かれていました。
記憶から過去が消えても、記録が過去を語ります。
そういう意味で、記録を残すことの効果は大きいと感じます。
記録とは偉大ですね。
ともあれ、残務整理、引継資料、４月の業務の段取り、パソコンの処理と、後任者への引継ぎ作業は昨日までにすべて完了しました。
今日はもう一度職場に行き、デュアルモニターにして使っていた私物のモニターを車で搬出しました。
２年前にじゃんぱら札幌店で1万円くらいで購入した中古ですが、搬出したその足でハードオフ札幌伏古店に行き、800円で買い取ってもらいます。
ありがたいことです。
これで、職場に関係する一切合切はなくなりました。
あとは、これからの人生に集中するだけです。
