パッサナーのブログ

日々、考えたこと、行動したことを、書いています

卒業にあたっての先生からの言葉、とにかく生きること、自立して楽しい家庭を作ること

昨日は、中学の娘の卒業証書授与式に出席しました。
体育館での式が終わると生徒はそれぞれの教室に戻り、最後の学活が行われます。
このときに父兄も参加します。

何となく学活って言いますが、それが何なのか、分かっているようで分かっていません。
調べてみると、正式には学級活動と言い、学校生活の充実と向上をめざし、諸課題を解決しようとする態度や健全な生活態度を育てる教育活動、とあります。
国語・算数・理科・社会も大事ですが、物事に対するよき態度を身につけることは、それにも増して重要であることのように思われます。

社会にでると、そこここで課題に直面します。
このとき、課題を解決しようとする態度を身につけていれば、課題をとりまく環境の改善に向け、思考し行動することができます。
健全な生活態度を身につけていれば、思考し行動するための心身の健康を維持することができます。
課題を解決しようとする態度と、健全な生活態度とは、車の両輪と言えそうです。

私の中学時代も学活はありましたが、このような態度が身についているかと言われると、甚だ心もとありません。
しかし、私が今ここにいるということは、直面してきた課題を曲りなりにも解決してきたのでしょうし、ある程度は健全な生活も送ってきたということでしょう。
よく考えると、課題の解決と健全な生活とは、生きることそのものです。
つまり学活とは、生きることを学ぶ時間だったのです。
学活って、すごいですね。

最後の学活では、先生から生徒へ卒業にあたっての言葉が贈られました。
1つ目はとにかく生きること、2つ目は自立して楽しい家庭をつくることです。

1つ目、みんなにはとにかく生きて欲しい、先生よりも長生きして欲しい、親よりも長生きして欲しい。
先生は、自分が受け持つ生徒の葬儀に出席したことがあるそうです。
その話をしていたときに、微かにですが、咽(むせ)ぶような仕草を見せました。
そのときの悲しい気持ちを、思い出したのではないでしょうか。

とにかく生きて欲しいというのは、先生の心の底からの、偽らざる本心だったのではないかと思います。
その本心を、一分の違いもなく正確に汲み取ることができたのかどうか、それは分かりません。
しかし、とにかく生きて欲しい、先生よりも長生きして欲しい、親よりも長生きして欲しいという言葉を、先生の意を汲みながら、父親なりに伝えていきたいと思いました。

私は職場で労働安全衛生を担当していたこともあり、娘にはこの観点から、死なないように注意深くあれ、と伝えたいです。

例えば、駅に行く途中には急な傾斜の坂があり、冬は凍結し、滑ると止まらずに車道に飛び出してしまいます。
そのタイミングで車がくると轢かれます。
だから、凍っていない端の部分を踏みしめながら慎重に降りるなど、危険を予測し、回避する能力を身につけて欲しいです。

また、工場で働くことがあれば、ベルトコンベヤーに巻き込まれないようにする、重機やフォークリフトには近づかないようにするなど、危険を察知する能力を身につけて欲しいです。

2つ目、自立し、よいパートナーを見つけ、楽しい家庭をつくって欲しい。
婚姻やパートナーシップにも様々な形がありますが、と断ってはいましたが、それは昨今の婚姻・パートナーシップ事情に対する配慮でしょう。

楽しい家庭はいいですね。
昔の写真を見るとそう思います。
私が10歳くらいのときの、家庭でのクリスマスパーティの写真がありました。
食卓にはチキンやケーキがあり、私と妹が三角帽子をかぶって楽しそうに笑っています。
クラッカーを鳴らし、紙テープが吹き出したシーンも記憶にあります。
料理も三角帽子もクラッカーも、子どもたちを楽しませたいと思い、両親が準備してくれたんですよね。
そんなことを考えていると、涙が出てきます。

自立すること、よいパートナーを見つけること、楽しい家庭をつくること、経験からいって、これらは自分の人生を幸せだと考えるに足る、十分な要素です。
家庭をつくるなら、みんなで楽しく暮らしたいですよね。

ちなみに、一人で生きる人生も、私は否定していません。
私も30代半ばまでは、生涯一人で生きるんだろうなと思っていました。
当時は、それはそれで楽しかったですし、それもまた人生の一つの可能性です。

最後の学活の時間に生徒に贈られた、卒業に際しての先生の言葉。
立派な先生だと思いました。
3年間担任としてついてもらい、娘は幸せ者です。
どうもありがとうございました。