パッサナーのブログ

日々、考えたこと、行動したことを、書いています

博物館での見学ペースの差は、展示解説を読んでいるかいないかの違いにあった

(2024.3.9、北海道大学総合博物館、鉱物・岩石標本の世界、鉱物エリアにて)

昨日 3/9、CoSTEP 成果発表会の帰り、北海道大学総合博物館に立ち寄りました。
14:00 頃に妻と娘と合流し、博物館見学を開始します。
お互いに見学するペースが違うので、見学を終えた後の集合場を1階のカフェと決め、後はめいめいに見学します。

私は見学ペースが遅いです。
妻と娘は見学ペースが速いです。
この理由として、解説パネルを読むか読まないか、その違いがあるのではないか。
そう推測していました。
展示にはモノとともに解説パネルが掲げられています。
主要な展示では解説も詳細です。
読んでいると時間がかかります。

1階の展示室には札幌農学校時代のことや、クラーク博士のこと、当時の学生のことなどが、壁面いっぱいの解説パネルに書かれています。
結構しっかり読んでしまいます。
1階の見学を終え、これはペースが遅いかなと気になります。

もしかしたらと思い集合場所のカフェに行くと、既に妻と娘がいます。
妻と娘からすると、終わった?という感じですが、こちらはまだ1階を見終わったばかりです。
申し訳ないと思いつつ、すぐ見てくるからと言い、2階と3階の見学に向かいます。

しかし、2階と3階の展示も充実しています。
掲げられた解説パネルの量も半端ではありません。
例えば、3階の鉱物・岩石標本の世界の展示では、壁面に地球史年表のパネルが掲げられています。
このパネルには地球誕生以来46億年の歴史が、年表形式で書かれています。

35億年前の生命の誕生以来、生物の大量絶滅が何回か発生しており驚きます。
また、恐竜のいた時代は、生物の歴史のなかではかなり後ろの方なんだということも分かります。
(恐竜がいたのは約2億3000万年前から6600万年前。)
私はしばらく、この年表に見入っていました。
そうこうしているうちに、アッと言う間に時間が経過します。

2階と3階の見学を終え、集合場所のカフェに戻ると、妻と娘はお茶をしながらスマホを見ています。
申し訳ない気持ちで、随分待ったよね、と言います。
そうでもないよと妻、しかし娘は率直で、もう一緒に行くのはねー、と言います。
毎回こう言いますが、誘えば一緒に来てくれます・・感謝。
博物館をでた頃には、閉館時間の17:00を回っていました。

私と家族の見学ペースが違う理由として、解説パネルを読むか読まないか、その違いがあるのではないか。
上でこのように書きましたが、今回、このことをはっきりと示す出来事がありました。
それは、1階文学部展示室で開催されている企画展示「GAME START Ⅱ これからのビデオゲーム展を考える」でのことです。

この企画展示は、博物館はビデオゲームアーカイブにどのように寄与できるのかを模索するものです。
アーカイブとは、古い記録、また、その保管所などのことです。
任天堂ファミリーコンピューターも展示されていましたが、発売された1983年は私は15歳。
それが博物館の資料として展示されるほど、歳月が経過したということですね。

この展示は、展示自体が何かの研究対象になっているようで、展示室における見学者の行動などが記録されています。
(もちろん、その旨は入口の案内に書かれていますし、記録は研究にしか使用しない旨も書かれています。)
研究のための調査の一環だと思いますが、展示室では展示に関するアンケートが配付されていました。
そのなかに、展示の解説を全て読みましたか、という問いがあったのです。

帰宅して家族と、やっぱり見学ペースが違うとねー、という話をしていたときに、その延長線でこの問いにも話が及びました。
私は解説パネルを全て読んでいましたが、家族に質問への回答を尋ねたところ、読んでいないということでした。
全く読んでいない訳ではないが、概ね読んでいないとのことです。
ただ、展示されていたゲーム機が懐かしくて、モノはよく見ていたようです。

私と家族の見学ペースが違う理由の答えが、一つはっきりとしました。
解説パネルを読んでいるかいないか、この違いです。
推測は当たっていたということです。

今回の企画展示でのアンケートが、博物館の見学ペースの違いが何によってもたらされるのか、それを解明するきっかけとなりました。
きっかけというよりも、展示の解説を全て読みましたかという、これ以上ないストレートな質問により、その答えをはっきりと示すことができました。
その意味で、この企画展示を主催した方には感謝していますし、アンケートは秀逸でした。

なお、展示の解説を読むか読まないか、これに関する価値判断については機を改めて考えてみます。