パッサナーのブログ

日々、考えたこと、行動したことを、書いています

父と母が入る納骨堂にお参りをする、また、お寺に感謝をする

(2017.03.20、7年前の納骨堂のお参りにて)

私は札幌に住んでいますが、父と母は苫小牧のお寺の納骨堂に入っています。
お彼岸の最終日の今日、家族で納骨堂にお参りに行きました。
お彼岸は、春分の日秋分の日を中日とする7日間です。
これから先は夏至まで、日が長くなりますね。
暑さ寒さも彼岸までと言うとおり、最高気温も札幌は6.5℃、苫小牧は6.1℃まで上がり、もうそんなに寒くありません。
苫小牧まで行きは、車の暖房も入れることはありませんでした。

父は税務署員でしたが、転勤で1995年7月に苫小牧に赴任、その後市内に新築のマンションを購入し苫小牧を永住の地としました。
マンションの竣工年月は1996年11月となっているので、それがマンション購入の時期でしょう。
当時私は東京に住んでおり、親に会うのは盆暮れの帰省だけでしたので、親がマンションの購入を考えていることは知りませんでした。
子どもが独立してしまうと、親は親、子は子の人生をそれぞれ歩むのですね。

マンションを購入してから2年後、父は2年間札幌に単身赴任をしています。
その間、母はマンションで一人暮らしをし、時々、父の身の回りの世話をしに札幌まで出てきていたようです。
マンション購入の話もそうですが、父の単身赴任や、母が時々父のもとを訪ねていたことなども知りませんでした。
親は親、子は子の人生とは言え、もう少し近くて親密な関係を築いておけばよかったと思います。
当時の親の年齢に近くなった今、そうしたことをつくづくと感じます。

その後、2016年に父が73歳で肺がんで亡くなり、2年後の2018年に母が78歳で腎臓がんで亡くなります。
父は間に2年の単身赴任をはさみ21年、母は23年を苫小牧で過ごしました。
(ただ母は、亡くなるまでの12月から3月までの3か月間、札幌の私の家で療養していました。)
父は旧網走支庁管内の津別町の出身、母は同じく旧網走支庁管内の端野町緋牛内(ひうしない)の出身で、結婚後は転勤で北海道内を転々としました。
その後、縁も所縁もない苫小牧を永住の地と定めたのは、実際に住んでみて、この街を気に入ったのでしょう。

苫小牧の市民文化公園(出光カルチャーパーク)には、苫小牧市美術博物館があります。
苫小牧市美術博物館は、旧苫小牧市博物館を美術館機能を併せ持つ複合施設にリニューアルし、2013年7月に開館させたものです。
苫小牧市美術博物館の設立にあたり、父と母はいくばくかの寄付をしました。
館内のロビーに設置されたモニュメントの台座には、他の多くの寄付者の名前と合わせて、父と母の名前も刻まれています。
それだけ父と母は、苫小牧の街に親しみの気持ちを持っていたのでしょう。

そんな父と母は、恐らくは60代の半ばから、自分達が檀家となるお寺を探し始めます。
宗派は浄土真宗真宗大谷派です。
浄土真宗は大きく本願寺派西本願寺)と真宗大谷派東本願寺)に分かれます。)
そして、苫小牧にある真宗大谷派のお寺の檀家になることを決め、住職の説法を聴きに行ったりしていました。

父の葬儀には、このお寺から僧侶2人がきてくれ、大層立派な読経をしてもらいました。
(この僧侶のうち1人は、現在の住職です。)
その後、母はこのお寺の納骨堂の一画を購入し、父の御骨を収めます。
記憶は定かではありませんが、購入費用は70万ほどだったと思います。
父が亡くなってから1年間は、お寺の住職が自宅に来てくれ、仏壇の前でお経を上げてくれました。
また、一周忌、三回忌の法要の際も、会場の予約、花や供物の手配など、お寺の方には親切にしてもらいました。

父が亡くなってからも、母は機会のあるごとに納骨堂にお参りに行きました。
休みの日には私と妻と娘も加え、4人で行きます。
しかし、そんな母も病気が進行するにつれ、お寺に行くのもきつくなってきていたのではないかと思います。
2月、父の三回忌のとき、母は札幌の私の家で療養していましたが、最後の力を振り絞って苫小牧に行き、法要に参加しました。
それから1か月後、母は帰らぬ人となりました。

その後、母もこのお寺の納骨堂に入り、父と母の御骨は隣り合わせで安置されています。
私と妻と娘は、春と秋のお彼岸とお盆、そのほか苫小牧に行く機会があればお寺に寄って父と母にお参りをします。
仏壇の扉を開けてお供え物をのせ、蝋燭に火を灯し、りんを鳴らして手を合わせます。
蝋燭が燃え尽きるまで、仏壇の前で話をしたりして過ごします。

お寺の静けさとお線香の匂いは心が落ち着きます。
また、お寺の方は優しくて親切で、厳粛さのなかにも親しみが感じられます。
私はこのお寺が好きです。
そして、いつでも父と母に会える場を用意してくれているこのお寺に、感謝しています。