(2022.2.4、東京都町田市、玉川大学)
前回は、
博物館の調査を行う、
班の構成について、
書きました。
今回は、
調査の実際について、
書きます。
私は、
生涯学習班となり、
メンバーは、
20代前半のAさんです。
生涯学習班は、
生涯学習の拠点としての、
博物館について、
事例調査をします。
調査により、
その博物館が、
生涯教育の拠点として、
ふさわしい活動ができている、
要因と背景を、
明らかにします。
事例は、
相模原市立博物館と、
福島県立博物館です。
私は、
相模原市立博物館を、
担当しました。
調査に当たり、
相模原市立博物館の、
概要と活動内容について、
把握する必要があります。
そのため、
まず、
相模原市立博物館の、
ウェブサイト、
年報、
活動評価報告書に、
当たりました。
年報では、
博物館の概要、
管理運営、
教育普及・学習支援、
資料管理、
調査研究、
所管施設、
企画展(特別展示)など、
博物館に関する情報が、
網羅的に記載されています。
活動評価報告書では、
評価期間における活動について、
自己評価、
有識者の意見、
市民の意見、
などが記載されています。
(評価期間は、
前々回は3年、
前回は2年。)
年報は直近2年分、
活動評価報告書は、
直近2回分に当たりました。
こうした資料から、
相模原市立博物館が、
生涯学習の拠点として、
ふさわしい活動ができている、
要因と背景を、
明らかにする、
ということです。
先に言うと、
最終発表では、
要因と背景を、
次のようにまとめました。
① 市民の多様な学習需要に
応えることができる
総合博物館であること。
② 生涯学習の
理念の実現を目的とした
組織的一貫性が
あること
③ 学芸員の
ボランティアに対する
生涯学習的な
理解と熱意があること
④ ボランティアの
やりがいを醸成する
機会が設けられていること
⑤ 教育普及の予算が
安定的に
確保されていること
⑥ 市民の研究活動を
可能にする
施設・設備が
整備されていること
⑦ 直営であることの
メリットを
生かしていること
最終発表にあたっては、
それぞれの要因と背景について、
具体的な事例や、
データを挙げています。
事例やデータは、
ウェブサイトの資料、
年報、
活動評価報告書などから、
引いてきました。
しかし、
生涯学習の拠点として、
ふさわしい活動ができている、
要因と背景そのものは、
直接どこかからか引いてくる、
というものではありません。
ウェブサイトの資料、
年報、
活動評価報告書などに、
載っている訳ではありません。
自分で、
考える必要があります。
助けになったのが、
学芸員資格取得の学習で使用した、
テキストです。
(学芸員資格取得の学習は、
玉川大学の通信教育課程で、
2021年秋から、
2022年夏まで、
行っていました。)
博物館概論と、
生涯学習論と、
博物館教育論の、
3科目で使用したものです。
3冊はそれぞれ、
鈴木眞里(編),『改定 博物館概論』,2004,樹村房、
笹井宏益・中村香,『生涯学習のイノベーション』,2013,玉川大学出版部、
柿﨑博孝・宇野慶,『博物館教育論』,2020,玉川大学出版部、
です。
これらのテキストには、
そもそも生涯学習とは何か、
博物館の生涯学習的役割、
博物館の生涯学習支援機能、
などについて書かれています。
そこから、
相模原博物館が、
生涯学習の拠点として、
ふさわしい活動ができている、
要因と背景について、
アイディアを得ることが、
できました。
この場合は、
要因と背景が先にあり、
その後、
それを実証するデータ・事例を、
ウェブサイトの資料、
年報、
活動評価報告書から引いてくる、
ということになります。
最終発表でまとめた、
これらの要因と背景が、
教員やAさん、
他の受講生から見て、
的確だったのかどうか、
それは分かりません。
しかし、
調査の過程で、
学芸員資格取得の学習の際に、
使用したテキストが、
役に立ったこと、
それが嬉しかったです。
長くなってきたので、
ここで区切ります。
次回は、
引き続き調査の実際について、
書きます。