(2023.10.28、苫小牧市美術博物館)
昨年2023年、
10月28日と11月4日に、
苫小牧市美術博物館で開催された、
「出光美術館名品展」(以下、名品展)
に行きました。
公益財団法人出光美術館
(以下、出光美術館)
のコレクションから、
近現代の絵画・陶磁器・漆器を、
紹介しています。
出光美術館は、
日本の書画、
中国・日本の陶磁器など、
東洋古美術を中心に、
展示を行っています。
名品展は、
出光興産株式会社
北海道製油所の、
操業50周年、
また、
苫小牧市美術博物館の、
開館10周年を記念し、
開催されました。
出光興産株式会社
北海道製油所は、
苫小牧市に位置する、
日本最北端の製油所です。
この製油所を通じ、
出光興産と苫小牧市は、
浅からぬ関係を築いてきたと、
思われます。
名品展は、
前期(9月23日から10月22日)と、
後期(10月24日から11月19日)で、
作品が一部入れ替わります。
私が行ったのは、
後期でした。
10月28日は、
11:00から40分ほど、
学芸員による、
スライドトークがありました。
学芸員がスライドで、
名品展のみどころを、
解説します。
これは、
作品を鑑賞する予習になって、
よかったです。
全く知らない作品でも、
あらかじめ関連情報に触れておけば、
興味深く鑑賞できます。
しかし、
次のような意見もあるでしょう。
他人によって、
事前に関連情報を与えられると、
先入観を持つことになる。
その、
強制された先入観で、
作品を鑑賞することは、
個人の純粋な鑑賞体験とは、
言えないのではないか。
確かに、
それも一理あります。
ただ私は、
このときに限って言えば、
予習をしておいて、
よかったです。
解説された作品が、
実際に展示されていると、
あ、これだ、
って思いました。
そうすると、
つくづくと、
作品に見入ります。
また、
解説を読むと、
あ、これ、
学芸員の説明にもあった、
って思いました。
以前に、
見たこと聞いたこと。
再度それらに遭遇すると、
人はそれらを、
興味深く、
感じるのではないでしょうか。
人に、
そのような性質があるのなら、
作品の予習は、
鑑賞を、
面白いものにしてくれます。
その意味で、
学芸員によるスライドトークは、
聞けてよかったです。
名品展で、
私は、
知らない作家の、
名前を覚えようとしました。
絵画では、
ジョルジュ・ルオー、
佐伯 祐三(さえき ゆうぞう)、
坂本 繁二郎(さかもと はんじろう)、
小杉 放菴(こすぎ ほうあん)、
東山 魁夷(ひがしやま かいい)、
富岡 鉄斎(とみおか てっさい)、
上村 松園(うえむら しょうえん)、
の作品がありました。
このうち知らなかったのは、
坂本 繁二郎(さかもと はんじろう)、
小杉 放菴(こすぎ ほうあん)、
です。
陶磁器・漆器では、
富本 憲吉(とみもと けんきち)、
板谷 波山(いたや はざん)、
高井 白陽(たかい はくよう)、
塚本 快示(つかもと かいじ)、
の作品がありました。
ここについては、
全員知りませんでした。
名品展を見学した、
10月28日と11月4日の両日、
鑑賞している最中から、
この6人の名前を覚えようと、
意識していました。
そのかいあって、
一時的には、
憶えました。
しかし、
3か月が経過した昨日、
一人も思いだせませんでした。
そうなると、
そもそも、
名品展に行ったことに、
何の意味があるのかと、
疑念が生じました。
しかし、
改めて名前を聞けば、
思い出します。
そして、
またしばらくは、
憶えています。
聞けば思い出す、
ここは、
名品展に行った意味が、
あるでしょう。
また、
作品も、
なんとなく覚えている。
視覚でとらえたものは、
名前よりも、
憶えています。
だから、
やはり、
名品展に行く意味は、
あった。
そう思い、
気を取り直して、
いるところです。